女性が活躍している介護職の中に、ホームヘルパーがある。比較的柔軟なシフトの下で働けるので、プライベートとの両立がしやすいと言われているが、中にはそうでないと感じている人もいるようだ。
よくある事例として、正社員として働く場合は、有給が取れないというものが挙げられる。例えば、子どもの行事や自分の大切な用事のために有給を使いたいと思っていても、その日に出勤できるパートがいないと上司に嫌な顔をされるというパターンだ。あからさまに不満のある態度を取られたり、「忙しいときに・・・」と嫌味を言われてしまうと、気持ち良く休めないはずだ。場合によっては、休むことさえ認めてもらえない場合もあるそうだ。これでは、有給があっても意味をなさず、プライベートとの両立は難しくなるだろう。
また、ホームヘルパーの仕事は、介護の仕事である以上、自分の感情に左右されてはいけない。自宅で家族との間にトラブルがあったり、友人関係でトラブルが起きた場合でも、気持ちを切り替え、笑顔で仕事をこなす必要がある。しかし、無理に気持ちを切り替えていても、不意に気持ちが滅入ってしまうこともあり、仕事が終わるとヘトヘトになるといったこともあるようだ。施設勤務なら、介護士仲間と他愛ないおしゃべりをして気分転換をすることもできるが、訪問介護の場合は利用者宅に介護士が出向いてサービスを行うため、気分転換を図るのは難しくなる。
このような事例はほんの一部であり、ホームヘルパーに限ったことではないかもしれない。しかし、常勤で働く場合はホームヘルパーの魅力として挙げられているメリットがそのまま当てはまるとは限らない点は気をつけてほしい。仕事を始めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、訪問介護に転職するときには、まず応募する事業所の特徴や自分に合った雇用形態はどんなものかを踏まえて行動を起こすようにすることが大切だ。